竹箒と使い道

松野宗純さんという、元エッソ石油副社長の方で、

その後、禅の世界に入りお坊さんになられた方が

おっしゃっていたことをご紹介します。

松野さんの修行されたお寺では参禅合宿をされていて

早朝4時過ぎに起床したあと、庭の清掃をするそうです。

お寺さんが用意した竹箒(たけぼうき)は、新品のもの、

古いものなど取り混ぜてあります。

見ていると参加者は例外なく我先に新品の箒を

手に取ろうとしています。

ところが、松野さんの経験では、

乾いた土の上ならば新品のふさふさした箒のほうが

仕事がはかどるのですが、芝生の上の松葉などは

使い古した箒のほうが扱いやすいそうです。

箒はいつでもどこでも新品がよいとは言い切れません。

古い箒がよいときもあります。

それぞれの箒に相応しい場所がこの広い庭にあります。

人を箒に置き換えて

人も個性に合った役割と場所を見つけて

そこで伸び伸びと生きるほうが幸せではないでしょうか。

私はこのお話をお聞きして

人は誰にも居場所がある、と受け取りました。

今、生きづらい居心地がよくないと思っている方も

必ず居場所があるのです。