「自分が正しい」というのは正しいです。
自分にとって、自分の考えていることやこだわりは正しいことです。
心理セラピーでは、自分の世界は自分の頭の中にある、ということをベースとしています。
自分は自分の頭の中の世界の中心で、過去の経験は自分のフィルターをかけた状態で記憶しています。ですので、自分は正しいのです。
ただし、
「自分だけが正しい」
「何人にとっても自分が正しい」
となると、どうでしょうか。
価値観も経験も人はみな異なっています。
それなのに、まったくみんな同じになることはありえないでしょう。
自分にとって正しいことも、他の人にとっては想定外のことかもしれません。
「自分の正しい」を他人に押し付けるのは相手にとっての抵抗を招くだけ。
あなたもそうではありませんか。自分では思いもしなかったことを「これが正しい」と押し付けられたら、それは違う、と思いませんか。
さて、「自分は正しい」が自分限定であることに気づかないと、自分の正しさと異なることをする人が気になります。許せません。
特に、これをしてはいけないと自分に制限していることを、他人がするのを見ると余計に腹が立ちます。それがストレスの原因になる場合もあります。
たとえば、メールが届いたらいかなる場合もすぐ返事をするのは当たり前、と思っている人は、自分がメールをもらったときはすぐに返事を送るし、もしすぐに返信できなかったときはおわびして理由を書きます。
ところがメールを送った相手からすぐ返事が来ないとイライラします。やっと返事が来たと思ってもおわびもなければ理由も書かれていないとさらにイライラが募ります。
相手は、すぐに返信できる状況ではなかったかもしれませんし、返信は自分の都合ですればよいと考えているかもしれません。
自分のこだわりやルールは絶対的に正しい、ということに縛られていると苦しくなります。
自分は自分、他人は他人、と思えれば楽なのですが、どうしても気になる場合は、それを相手に話してみるのもよいと思います。
お互いに歩み寄り、お互いに納得いく線を見つけることができるかもしれませんし、相手がどう思っているかを知るだけでもイライラしなくてすむようになります。