悩み事を相談して、「わかりました」とそのときは納得したのに、「やっぱり違う、そうじゃない」。
また別の人に相談して、「わかりました」と納得したけど「やっぱり違う、そうじゃない」。
それを繰り返している人がいます。
「ノーと言ってはいけない」
「自分で決めてはいけない」
「人はいつでも私を支配しようとする」
という思い込み(ビリーフ)があるのかもしれません。
小さいころ、親にとても管理されてノーと言えなかったり、親が忙しくてわがままが言えなかったりしたなど、支配されることや管理されることにこだわりが強くなり、「イエス」と言いながら「やっぱりノー」と言ったり、差し出されたものをすべて拒否するというパターンが繰り返される場合があります。
ノーと言えなかったり他人に支配されることへのこだわりというのは、普段の人間関係の中でも起こります。
たとえば、友だちのショッピングに付き合って
A 「このブラウス何色がいいかな?」
B 「ピンクが顔が明るく見えていいんじゃない」
A 「そうね、でも、ピンクって太って見えるよね」
B 「そんなことないけど、じゃ、グリーンにしたら」
A 「うーん、グリーンいいんだけど、合わせるジャケット持ってないから」
B 「あら、そうなの、どんな色のジャケットに合わせるの?」
A 「どうだろう、ぴんと来ないから、いいや」
B 「・・・・・」(せっかく答えているのに)
そして二人ともイヤ~な雰囲気に・・・。
Aさんは自分から助言を求めていながら「そうね、でも」といずれも受け入れない、というものです。
これも、ノーと言えない、他人に支配されることへのこだわりのパターンなのですが、相手も巻き込むかたちとなっています。
こちらから助言を求めて相手の支配を誘っておきながら「自分の思い通りにならないのなら
相手にも挫折感を味わわせてやれ」といわんばかりに、相手の助言を否定するという行動パターンです。
自分がこのパターンだなと気づいたら、この行動のもとになっている思い込みを、今のあなたに合ったものに書き換えることができます。
そして、人から与えられたものを何でも拒否することから脱出するため、自分が楽しいと思うものや一番よいと思うものを「自己責任」で選択する、「でも」という言葉や気持ちを使わずに「そして」に置き換える、ということを心がけてみてください。
一人で悩んでいて解決できないときは、誰かに相談することは役に立ちます。
鵜呑みはしなくてもよいのですが、受け取り拒否ばかりもスッキリしないものです。
自分の考えや気持ちが整理できたり、自分では思いつかないことを知ることができたりします。
イヤな気持ちになるために相談しているのではなく、選択したり決断したりするためですよね。
また、もし、相手があなたをコントロールしようとしていたとしても、あなたはそれを受け入れるか、拒むか、選ぶことができます。選ぶのは自分です。